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重要な仕事には、必ずアイディアが必要になります。
ビジネスパーソンにとって「発想力」は必須スキルなのです。
あなたは、住宅業界のコンサルタントとして、どのようにアイディアを出していますか?
頭がかたくて柔軟な発想ができず、苦労している人も多いかもしれません。
でも、少し視点や考え方を変えるだけで、面白いアイディアはザクザク出てきます。
「あの人はアイディアを出すのがうまい」と言われている方がまわりにいませんか?
アイディアを生み出す発想力は、まるで生まれ持った才能であるかのように思われがちですが、実際にはそんなことはありません。
一部の成功者やカリスマ的な起業家だけが、斬新なアイディアをあふれさせて、成功しているわけではないのです。
斬新なアイディアは、適切な方法を知り、実践することで誰でもを生み出せるのです。
素晴らしいアイディアは、突然ひらめくものだというイメージがありますね。
このため、ひらめき(発想)とアイディアは同じもののように思って、才能に依存する部分が多いと思われがちです。しかし、実際にアイディアを形にする職業の人たちの仕事ぶりを見ていると、そうではないことが分かります。
たしかに、ひらめき、もしくは思いつきというものは、文字通り、ある日突然やって来る、これまでなかった発想や組み合わせ、考え方などです。
しかし、この時点では「ひらめいた」「思いついた」だけの段階です。
どんなに画期的なひらめきでも、人に伝えなければ消えてしまいますが、これに対して、アイディアとは、思いついたことを検証し、論理的にまとめて他人に伝えられるところにまでブラッシュアップされたものです。
アイディアとは、時間をかけて、何かを解決するために考え続けた末に生まれます。
いかにひらめきをうまくまとめて人に伝えるかということが重要なので、むしろ、アイディアの生み出し方、まとめ方、伝え方というのは、一種のスキルであると言えるのです。
アメリカの実業家ジェームズ・W・ヤングは、『アイディアのつくり方』という著書の中で、「アイディアとは既存の要素との新しい組み合わせである」と書いています。
ひらめきや思いつきは偶然に依存する部分が大きいですが、アイディアは論理的に導き出すことが可能です。
言ってみれば、ひらめきや思いつきを分かりやすくまとめて伝えたものがアイディアということになります。
アイディアとひらめき(発想)のどちらもビジネスにおいては必要不可欠です。
アレックス・F・オズボーン氏が1938年に発案したアイディアを出すための有名な会議手法です。
1人では思いつけないような大量のアイディアを出すことができます。
皆さんも一度は経験があると思いますが、ブレストには4原則というものがあるのをご存じですか?
このブレストは、じつは一人でも実施できます。
ひとりブレストというサイトに行くと、何のアイディアを出したいのかというキーワードを入力すると、次々と質問が表示されます。この質問に対して、まさに一人でブレストしていくわけです。
すでにアイディアを具体的な企画に落とし込む段階にはとても役に立つでしょう。
KJ法は、考案した川喜田二郎氏という文化人類学者のイニシャルから名づけられた発想術です。1 人でできる、とてもシンプルなもので、付箋マッピング法とも呼ばれます。
付箋に思いつくままにアイディアを書き出し、それをグループ分けし、要らないものをそぎ落とし、残ったものを順序よく並べて整理していくというものです。
原始的な手法ですが、それだけに人間の行動との親和性も高く、手軽にできて効果の高い手法として知られています。
これは、一つのテーマをめぐって連想するものを次々に書いていく方法で、1987年に今泉浩晃氏が考案したアイディア発想法です。
プロ野球の大谷翔平選手がマンダラートを使って、「ドラフト指名されるにはどうすればいいか」という課題に取り組んだ話は有名ですね。
まず、考えたいことや解決したいことなどを、3×3の9マスの中心のマスに書きます。
その周りの8マスに、その内容に関連した8つのことを書いていきます。
思いついたことや、それに連想する キーワードなど、あまり深く考えずにどんどん書いていきます。
9マス全部が埋まったら、8マスのうちの一つをまた別の白紙の9マスの中心に書き、同じように周りの8マスを埋めていきます。
ここまでで、16の新しい キーワードや視点を書き出したことになります。これを、満足するまで何度も繰り返すだけです。
できあがったものを見れば、普段なら考えもつかないような視点から、ものごとを考えられるようになります。
数を決めることにより発想力が広げられていることを実感できるでしょう。
が並べられています。そこから出てきた 8 つの項目に対してそれぞれのマンダラートを作成し、そのために必要な取り組みを並べて実践したそうです。
これはエドワード・デ・ボノ氏が考案した発想法で、6 種類の視点を持った参加者がそれぞれの役回りを演じて議論をしていきます。
全員が同じ色の帽子をかぶり(本当にかぶる必要はありませんが、上記のような思考をするキャラクターになりきるという意味です)、上の6つの中から1つの役割を選んでアイディアを出していきます。
本来の自分とは異なるキャラクターとして議論に参加するため、これまでにはなかった気づきや思いつきが生まれやすくなります。
なぜなぜ分析は、トヨタの元副社長の大野耐一氏が考案し、実際にトヨタで実施されている発想法で、1つの事象に対して、5回の「なぜ」をぶつけてみるというものです。
フォーマットや使うべきツールは特に必要ありません。「なぜ」を5回繰り返すだけで、ものごとの結果から原因をさかのぼり、根本原因や裏に隠れている事実が洗い出されます。問題解決としてのアイディアを出すときに、重宝するフレームワークです。
トヨタでは製造工場で生じた事故やミスの原因の追及や再発防止に利用されているそうです。
の1つです。
5回でも足りない場合は、自分が納得するまで「なぜ」を深堀りしてみてください。
ブレーンストーミングの発案者でもあるアレックス・オズボーン氏は、広告業界におけるアイディアの引き出し方を体系的に研究した人です。彼がアイディアに困った時に自問自答していたチェックリストがこれです。
という9つの項目に合わせてアイディアを広げ、ある物事に対して9つの視点で仮説を立てていきます。
その中から素晴らしいアイディアが見つかるかもしれません。
一から始めることなく、一つのアイディアに多角的な視点をもたらしてくれる発想ツールです。
希望点列挙法と欠点列挙法は、対になる発想法ですが、どちらもテーマに沿って思いついたことをどんどん列挙し、有用なものを拾い出していきます。
希望点列挙法では、「こうありたい」「こんなのがあればいいな」という希望や願望を可能な限り書き出し、その中から現実味のあるものを選んでブラッシュアップしていきます。
反対に、欠点列挙法は、対象となる事柄の欠点や欠陥、不満な点などを列挙して、そこから問題解決につながるようなアイディアを拾い出していきます。ライバルをこきおろすつもりで徹底的にあら探しを行い、それから、それをすべて克服した状態をイメージします。
途中で述べたように、アイディアは単なるひらめきや思いつきではありません。
そういったものだと思い込んでしまうと、枯渇したり、行き詰ってしまうことになります。
アイディアはそれを出すための方法論がいくつも確立されていることがおわかりかと思います。
要は、そういった方法=フレームワークを知っているかどうかです。
フレームワークを理解して使いこなすことによって、感覚に頼ってひらめきを待ち続けるよりも、着実にアイディアを生むことができると思います。
皆さんも、「アイディアを出すならあの人に相談しよう」と言われる人を目指してみましょう。